COLUMN

多剤耐性ブドウ球菌

このメチシリンに対しても耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が出現。院愛感染の原因菌として増え始めました。MRSAは、メチシリンだけでなく多くの抗菌薬に耐性があり、抵抗力が弱っている人には重症の感染症を引き起こす菌になっています。

この為、MRSAは多剤耐性ブドウ球菌とも呼ばれます。MRSAは健康な人の皮膚や鼻腔に存在している菌であり、健康な人であれば病気を引き起こすという事もなく、除菌治療の必要もありません。

しかし、別の病気などで抵抗力が落ちていると感染し病気を発症するリスクは高まります。乳幼児・高齢者・手術後で治療中の人・抗菌薬を長期間使用している人などは感染を受けやすくなり、入院患者への感染予防はたいへん重要です。

近年、MRSAに有効な抗菌薬が開発されて院内感染もコントロールがつくようになってきました。とはいえ、一旦MRSAに感染し長期化すると一部は重症となりやすい為、十分な予防は欠かせません。

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